性同一性障害gidとは、体の性別と心の性別が不一致の状態を指す言葉です。自分が性同一性障害であると気がつくのには、個人差があります。
ただ思春期になり、性別によって体の成長が進行していくに従い、心の性別との違和感に気がつく、あるいは不一致に気がつくことは少なくありません。また周囲がそうした体の変化を戸惑いながらも受け入れていく一方で、自分にはどうしてもそれができないと深く悩むのもこの時期に多いことです。
そしてこうした時期は、学校生活を送る時期と重なることがとても多いです。そのため、そうした違和感や不一致への気づき、自分の体の変化への戸惑いや悩みが、学校生活を送る上での支障になるケースもあります。
場合によっては支援が求められるケースもありますが、そこで忘れてはいけないのは、何よりもまずは性同一性障害である本人の意思を尊重しなければならないと言う点です。性同一性障害だから絶対に支援が必要と言うわけではなく、個人によってはそうした支援が逆にプレッシャーになってしまうこともあります。
ですからまずは、本人にその辺りを確認し、必要な場合はどんな支援が良いかを聞いてみるのもひとつの方法です。逆に支援は不要だと言われたからと言って、それで終わりと言うわけではありません。クラス替えや進級など、学校内での環境の変化に伴って本人の気持ちも変化していくことも考えられますから、学校全体での見守りが必要です。