医学的介入

3つの段階に分類されます。

1.完全に身体を元に戻せる医学的治療

GnRH アナログを使用し、FTMであれば女性ホルモン(エストロゲン)、FTMであれば男性ホルモン(テストステロン)の分泌を抑制させ、その結果、二次性徴(思春期)の身体的変化を遅延させることができます。

他の選択肢としては、プロゲスチンやスピロノラクトン などがあり、GnRH アナログが処方されていない子どもの精巣から分泌される アンドロゲン効果を減少させるものである。月経抑制には、継続的な経口避妊 薬(あるいはデポ型メドロキシプロゲステロン)が使用されることもあります。

2.部分的に身体を元に戻せる医学的治療

身体をFTMの男性化あるいはMTFの女性化させるためのホルモン治療がこれにあたります。ホルモン治療により起こる変化には、再建手術によって元に戻すことができるものもあります。

元には戻せないものもあります
FTM:乳腺摘出による乳房の男性化、胸オペ男性ホルモンによって低音化した声、クリトリスの肥大化
MTF:エストロゲンによって女性化した乳房→乳房縮小

青年が女性化または男性化を促すホルモン治療を始めるにあたっては、親の同意を得ることが望ましいです。日本においては、医学的に意思決定が可能となる法定成人年齢は20歳以上であり、その年齢に達すると親の同意は必要はありません。

理想的には、治療に関する決定が本人と家族、そして治療者の間でなされるほうがよいでしょう。青年に対するホルモン治療の計画は、成人期になってからの治療とはかなり異なります。青年期を通して起こる身体的、情動的、精神的な発達を考慮しなければなりません。

3.身体を元に戻せない医学的治療

外科的治療のこと、MTF:ペニス切除、睾丸切除、FTM:膣形成、卵巣切除

段階的なプロセスを踏み、最初の2段階でその後の治療を自由に選択できる状態にしておくことが勧められます。できるならば、20歳以上でも青年とその家族が前の段階で実施された治療の効果によって、完全に同意するまでは、次の段階に進むべきではないでしょう。