家庭裁判所の判断。当事者は困惑・・・
性同一性障害gidに対しての性別変更の条件は、現在のところ生殖腺がないか、もしくは機能が絶えている状態でなければいけません。

このように、なにも手術(FTMの場合、子宮卵巣摘出)をしていない状態だと性別変更ができないのが現状です。

これに対して、戸籍上の性別を変えるのに「不妊手術」を義務づけた性同一性障害特例法は違憲だと訴え、平成28年12月に、女性から男性への性別変更を家庭裁判所に求めた家事審判がありました。

審判では、性別変更の要件の一つに「生殖腺や生殖機能がないこと」を定める特例法について、「身体に著しいダメージを伴う手術を要求するのは、自己決定権を保障した憲法13条に違反しており、無効である」と主張しました。

申し立てしたのは、女性の体で生まれ、男性として生きる性同一性障害gid、FTMの臼井崇来人(たかきと)さん(43)です。

臼井さんは39歳で性同一性障害gidの診断を受け、その後、戸籍上の名前も男性的な名前に改名しています。男性ホルモン治療で声が低くなり、筋肉が発達するなど男性のような体つきにはなりました。

ただ、「本質は手術のあるなしではなく、個人としてどう生きたいかではないか」との思いもあり、卵巣摘出などの手術を受けてきませんでした。

さて、家庭裁判所の判断ですが、「手術の要件(条件)は合憲」と判断し、申し立てを却下しました。

決定は「特例法の手術要件は、元の性別の生殖能力が残っているのは相当ではないことから定められたと解される」と指摘。「憲法13条に違反するほど不合理な規定ということはできない」と結論づけています。

FTMに関しては、子宮、卵巣を摘出していないと性別変更はできないということです。憲法もこの程度では違反でないということです。

憲法13条
「すべての国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」

申立人側は国家賠償訴訟も視野に、広島高裁岡山支部に即時抗告したようです(再度審判を求める)。

昨年春から、パートナーの山本幸(みゆき)さん(39)と幸さんの長男(6)の家族3人で暮らしています。性別を男性に変え、幸さんと異性カップルとして結婚したいと望んでいます。

1月7日、決定文書を受け取り、本人は「当事者にも性の多様性があり、特例法ではカバーし切れないはず。手術をして後悔したという声も聞く。法が現実とかけ離れていると感じるが、司法の壁は厚い」と語りました。

※「手術をして、後悔をした」・・・という声はあまり聞かれないと思うのですが・・・。たぶん、MTF>FTMの頻度?☞性別変更の取り消しもありうる!?

現行の法律が生殖能力がないことを前提にしているので、この1件の申し立てだけを例外にすることはできないので、当然の結果と言えたのでしょう。

現行の日本の法律からすると性別適合手術SRSをしないといけませんが、現在、北欧の一部では、厳格に行われていると思いますが、診断のみで性別変更もできる国もあります。

もしかして、日本でも、もう少し認知も広がればこのような動機付けがきっかけで、何十年後?かに法律が変わることもあるかもしれません。

最高裁判所の初判断が示された!