性分化疾患(インターセックス)のある人のジェンダー関連の既往歴は複雑であることが多いです。遺伝的・内分泌学的・身体的非典型性など生まれつき のものから、それまでに受けたホルモン治療、 外科的治療、その他の医学的治療など、様々な要素がそこに絡んできます。
そのため、性別違和の有無に関係なく、こうした受診者に対する心理社会的ケアと医学的ケアについ ては、様々な追加的要素を考慮する必要があります。コミュニ ティのサポートグループに相談したり、活動に関わることが有益だと感じる家族や受診 者もいます。
性分化疾患(インターセックス)の医療マネージメントについては、非常に充実した医学文献があります。 このような文献の多くは、小児内分泌学や泌尿器科学の高度専門家によって執筆された ものであり、ジェンダー領域を専門とするメンタルヘルス職の知見も盛り込まれています。
最近の国際コンセンサス会議は、エビデンスに基づき、性分化疾患全般に関するガイド ライン、および先天性副腎皮質過形成に特化したガイドラインの作成 に取り組んでいます。ジェンダーや性器手術をめぐる問題への取り組みを含みます。他にも、 調査研究ニーズに取り組んでいるものとして、性分化疾患全般に関する研究 や、46-XXYに特化した症候群に関する研究などもあります。