家族の役割はどのような家族に対しても大切なものであり、代替性のない物といえます。人間が生活する上で、家族の存在は必要不可欠であるだけでなく、心理面や身体面を大きく成長させる存在であることは言うまでもないことであるといえるでしょう。

そのような家族の役割は、意識する必要がない場合においてはそれほど重要となりません。なぜなら、無意識の内に家族の役割が果たされており、平穏な生活が出来ているという事の裏返しであるためです。

しかし、性同一性障害gidの方にとっては家族の役割が非常に重要となります。しかも、上記の様に無意識の関わりが上手く行かないケースが多いという特徴もあり、非常に困難な関わり方が求められる事も珍しくはありません。

その理由としてはやはり性同一性障害gidの特徴である、身体的な性と心理的な性の不一致が関係しています。つまり社会的に求められる性に家族、特に親世代が引っ張られてしまい、求めてしまう家族の構成員の役割と、実際の家族の状況が一致しないことで葛藤や軋轢が生じてしまうのです。

こういった形で関わりが難しくなる事はどの家族にも起こりえることです。だからこそ、そういった状況になっていないかを振り返り、関わり方を検討していく事が重要でしょう。