性同一性障害gid当事者の子どもの頃、周囲にどのように対応していたのか?を調査した結果によると、ほとんどのひとが誰にも打ち明けられず、悩んでいたようです。
このように誰にも打ち明けられない性同一性障害の子どもたちに必要なことはなんでしょう?
社会一般の人々、親、学校の先生への正しい理解です。
物心ついた頃に、本人は「この先どうなってしまうのか?」「自分とはなにもの?」などの不安を強く持つので、やはり自分自身が、これはおかしいことではないと理解してもらうことが大切でしょう。
当事者にとって、性同一性障害について教えて欲しかった時期は、ある統計によると、FTMでは約12歳、MTFで11歳です。
この時期は、ちょうど小学校高学年あたりです。この時期に性同一性障害のことを学校で説明するのが望ましいことになります。そのため、当事者の9割は中学生までに性別に違和感を覚えています。
文部科学省が初めて実施した性同一性障害に関する調査では、子どもたちから多くの相談が寄せられているようで、性の不一致への悩みが深刻であることも浮き彫りになっています。
学校などの対応次第では、自殺未遂や不登校につながることもあります。学校関係者は、「もしかしたら、性別違和を持つ生徒に気がついていなかった」可能性もあるわけです。
学校関係者は、学校の現場の理解を深めることが不可欠とも言えます。しかしながら、学校で性同一性障害のことを説明すべきとするのは、小学校高学年までにというのは、全体の3分の1程度です。
このことから、実際には、当事者の人から見ると、教えて欲しい時期が教師とは少しズレを生じています。
性同一性障害に関する学校の役割は、①当事者への支援②多様な性への理解を在校生に理解してもらう③保護者への性同一性障害に関する正しい理解が挙げられます。