最近なんとなく耳にはするけれどもよく分からない「性同一性障害(GID)」。セクシャルマイノリティーの総称であるLGBTの中の同性愛者、バイセクシャルと区別が付きにくく、ひとくくりで同じだと思っているひとたちもいて、少し紛らわしいかもしれません。

私たち人間は受精の段階で染色体によって身体の性別が決まります。しかし、胎児になった当初は男女の区別なく、全員が女性の身体として作られてしまいます。そしてある段階で男性ホルモン、もしくは女性ホルモンを浴びることによって脳の性別が決まります。

例えば、男性の染色体を持った場合、通常の場合なら男性ホルモンを浴び、身体も脳も男性として生まれます。ところが稀に、この男性ホルモンを浴びることができないケースがあります。

そうすると身体は男性なのに、脳の性別が女性となり、性別違和感に戸惑ってしまうのです。これが性同一性障害です。同性愛者の場合は、自分の性別に対しての違和感はありません。ただ、同じ性別の方を愛しているというだけです。この性別違和感こそが、同性愛者と性同一性障害の大きな違いです。

そして、この性別違和感は本人にはどうにもなりません。本人を責めたり治そうとするよりは、本人の心に寄り添い、どうすればその人らしく生きることができるかを考えていくことのほうが大切です。

現在では性同一性障害の名前が広まったことにより、教育現場でもそれらの障害に対する理解が深まっていっています。本人や家族の方だけで抱え込まず、専門の医療機関に相談しましょう。