性同一性障害(GID)は、性別違和を持ち、生まれながら自分の性別に違和感を感じている人のことを指します。これは具体的に言うと、自分の身体の性別と、自己認識している性別が一致しないということです。

日本ではこれまで、性同一性障害と呼ばれていましたが、新しく性別違和という呼び方に変更されつつあります。どういった経緯で変更されたのかと言うと、アメリカでもこういった状態の人を性同一性障害と呼んでいたのですが、これは精神疾患などのような障害ではないという点で、新しくジェンダー・ディスフォリアと名称が変更されたのです。

ジェンダー・ディスフォリアを和訳すると、性別違和という意味になるので、日本ではこのように呼ばれるようになりました。障害ではないなら、別に名称をつける必要もないと感じるかもしれません。

しかし、精神疾患ではないものの、カウンセリングを受けたり、ホルモン療法や性別適合手術といった医療的なケアを必要とする場合もあるので、そういった対処をしやすくするために性別違和という診断名が必要となるのです。

性別違和という名称には、賛否両論の意見もありますが、障害ではなく違和であるという点では受け入れやすい言葉になったとも言えるでしょう。