性同一性障害というのは、身体上の性別と心が感じる自らの性別が相反する状態のことをさします。性別上は女性なのに自分は男性であると感じたり、あるいは反対に見かけは男性なのに内面は女性だったりすることから、社会生活上でさまざまな不具合を感じたり、精神面で不安定になることも多くあります。
最近はこの性同一性障害に関する理解も徐々に広がり、一種の病気として、医療機関で治療されるようにもなりました。医療機関で治療をする場合は、まずカウンセリングや社会生活面でのサポートを行う精神治療からはじまり、それでも性別の不一致からくる悩みの解消が不十分な場合は、本来の性別に身体的特徴を近づけるホルモン療法を行います。
さらにこれらの治療を続けて手術する方も多くいます。外科的手術をもって本来の性別にふさわしい身体的特徴を身につけるという治療を行います。 また最近は、日本精神神経学会が性同一性障害を性別違和という名称に変更するように呼び掛けています。
これは障害と捉えることで生まれる可能性のある差別意識を排除するためで、名称を性別違和とすることで性の多様性を積極的に認めようとするアプローチです。現代の日本においても性別違和者は多数おり、社会全体でのサポート体制の確立が急務となっています。