性同一性障害の名称に関して、アメリカの新しい判断基準が、19年ぶりに改正されたことを受けて、精神科用語検討委員会は日本語訳で病名や用語の混乱が起こらないように、より分かりやすく患者の理解が得られるなどの基準を設けました。

そこで性同一性障害は、性別違和と日本語で訳されることに決まりました。性同一性障害とは、生物学的な性別と自分が認識しているジェンダーアイデンティティに相違がある状態です。

現在では、子どもでも性同一性障害の症状を表す場合があり、自動青年期の精神疾患では、「障害」という用語を使わない傾向があります。「障害」という用語が、親や子どもに大きなショックを与える可能性があるためです。

また障害だと回復の見込みがないと勘違いされる恐れもあります。性同一性障害は、不治の病で廃人になるというイメージを持たれることもあります。患者自身が病気に立ち向かうために、性別違和という言葉に変更されました。

アメリカの患者会からは、社会が自分たちを認めれば解決し、認めないために自分の性別に違和感を持つしかないというメッセージが込められています。将来的には性別違和は、病名ではなくなる可能性もあります。ただし病気である方が患者にとって性適合手術でのメリットがあるかもしれません。