性同一性障害GIDは生物学的な分類による性別と、精神的な性別が一致しないことを主症状とする障害として長年対応が行われてきました。
本人にとっては思春期を境に厳しい性に対する違和感との戦いを強いられる問題であり、近年になって一定の理解が示されるようになるまでは性同一性障害は理解されないケースがほとんどであったと言えるでしょう。
しかし急速に性同一性障害の理解が進む様な社会になってきた現在、その名称は性別違和に変更されることになりました。その背景にはアメリカの精神医学会の最新の性別違和診断基準DSM-5において、性同一性障害と呼ばれていた症状をジェンダー・ディスフォリアgender dysphoriaと診断すると決められたことに影響を受けています。
この新しい診断名のジェンダーディスフォリアを日本語訳したものが性別違和と呼ばれる言葉なのです。 この名称の変更の理由としては精神疾患ではないので障害という呼び方は止めようというのが基本となっています。
しかしながらカウンセリングやホルモン療法、性別適合手術など医学的な対処が存在しているため、診断名を付けてしっかりと分類しておこうというのが趣旨となっています。この動きについては既にメリットとデメリットの両方について議論が始まっています。