身体上の性別と心理的な性別に違和感を持つのが性同一性障害GIDといいます。現在は性別違和とも呼ばれるこの症状を抱えている人たちは日本でもかなり多く、本来の性別へと近づける治療もいくつかの医療機関でおこなわれています。

性同一性障害や性別違和の治療は、3種類の治療法を段階を踏みつつおこなうのが基本となります。

第1段階;精神療法
はじめにおこなうのが精神面の治療です。性別に違和感を抱える人の多くは、社会生活を送るうえで幼少期から身体的、精神的にさまざまな苦痛を感じながら生きています。カウンセリングを通じて彼らの苦痛に寄り添い、これからの生活をいずれの性別でおこなうのかの選択についての判断を援助します。

第2段階;ホルモン治療
精神療法でも身体的特徴の不一致が悩みの種として残る場合は、精神療法を続けながらもホルモン療法に移行します。この治療法は、生物学的な性別の反対の性ホルモンを投与することで、少しでも本来の性別に身体的特徴を近づけるというものです。性同一性障害や性別違和の治療の第2段階にあたります。

第3段階;手術療法
さらにどうしても身体的特徴の不一致からくる症状が緩和されない場合は、性別適合手術という外科的な治療法をおこないます。この治療法はその後の社会生活にも大きな影響を与えますので、本人の希望はもちろん、予想されるあらゆる困難に対処できる環境が整っているなどの条件を満たしていることが必要になります。

通常、性適合手術前には、FTMであれば、乳腺摘出(通称;胸オペ)が行われることが多いです。MTFであれば、ホルモン治療を行いながら女性としての実生活を行います。