性同一性障害gidとトランスジェンダーの違いはなに?
性同一性障害gidは、日本ではよく使われる用語ですが、トランスジェンダーtransgenderというとあまり聞かれない用語かもしれません。
ほとんど同じようですが、正確には微妙に定義が違います。トランスジェンダーは、性別違和を感じる人たちの総称です。なので、性同一性障害gidは、トランスジェンダーの中でも、性別違和を解消するために、性自認と一致する性別生きるために、身体的治療、ホルモン治療、手術治療を受けたいと希望している人たちに対して呼称します。
医学的な身体的な治療をするには、性同一性障害gidという病名のもとで治療することになるので、治療前に診断されなければいけなくなります。
もちろん、診断書もなくてもいいし、治療もするつもりもないけど、性別に違和感を持っているひともいます。学校や職場などで、周囲に理解を求めるために、医学的な根拠である診断書を必要とするひともいますし、ぜひ、専門家の意見を聞いてみたいということもあるでしょう。
このように、トランスジェンダーすべてではありませんが、医学的根拠にもとづいて、身体的治療を求める場合には、「性同一性障害gid」という診断を受けています。
その反面、身体を変える必要をあまり感じない、専門の医療機関が近くにないという理由から診断を受けれない、受けていないトランスジェンダーは、たくさんいることだと思います。
数年前より、これらの性自認を持つことを精神疾患であると示す性同一性障害gidという概念自体が不適切ということで、「性別違和」と名称が変わりつつあります。ただし、まだ日本では、性同一性障害gidという用語は当分使われると思われます。
トランスジェンダーtransgenderのいろいろ
性自認の在り方は、男性、女性だけでなく、その中間の性だったり、揺れ動いたりする場合もあるし、その日によって自分に一致した性を感じる人たちもいます。
FTM (female to male)
生物学的な性が、女性だが、性自認は、男性。または、女性として生まれたが男性として生きようとする人たちを指します。
・自分の本来の性別は男性だと思う。
・女性として扱われるのは違和感があり、男性として扱われる方がぴったりくる。
・昔から、女性として生きることにかなり違和感がある。
MTF(male to female)
生物学的な性が、男性だが、性自認は、女性。または、男性として生まれたが女性として生きようとする人たちを指します。
・自分の本来の性別は女性だと思う。
・男性として扱われるのは違和感があり、女性として扱われる方がぴったりくる。
・昔から、男性として生きることにかなり違和感がある。
Xジェンダー(FTX、MTX)
性自認が必ずしも男性、女性に分類されない人たち。生まれたときの性別に違和感があるけど、実際に、反対の性別で生きることがはたしてしっくりくるのかわからない、2つのはっきり分かれた性別に分けられることなく、中間的な性別で生きたい人たちを指します。生物学的に女性のXジェンダーはFTX、男性のXジェンダーをMTXのように表します。
また、このXジェンダーという用語は、海外では使われず、日本独特の用語であるようです。トランスジェンダーに関する海外の医学論文では、X-genderという用語は一切見当たりません。