性同一性障害、ジェンダーをめぐり治療に対して、いろいろな考えがあります。その当事者の間でそれぞれが同じ意見を持ち合わせているわけではありません。
ブログなどで自分の意見を発信するひともいますが、その意見がすべてではありません。もしかして、まったく自分の意見とは違うかもしれません。
例えば、典型的な希望する性別へ移行です。ホルモン治療、性別適合手術(SRS)を通じて、心理的な性別と同じ身体の性別を希望するひともいます。
この場合は、自分はすべてが男性(FTM)または女性(MTF)になりたい。そのようになれば、普通の日常生活が送れると考えて、身体的治療を進めます。
治療が終わってしまえば、自分が性同一性障害であったのは過去の話で、これから生きていく上で周囲に知られることもなく、典型的な男性、女性として周囲に溶け込めるかもしれません。
一方では、そもそも典型的な男女の考え方がおかしいから、性別という考えをなくすべきだとか、男性でも女性でもない第三の性を唱えるひともいます。実際に海外では、第三の性を認めている国もあります。
医療に対しては、本来の心に一致した治療、本来の自分の身体に知づけてくれてありがたいと感謝するひともいれば、もしかして、典型的な男女をつくることによって、社会的なジェンダーを強化しているのではないかと非難するひともいるかもしれません。
これらは、gid当事者の意見だけでなく、医療者側もこのような考えを持っているひともいます。当事者の性別違和の度合い、思想的背景の違いにもよって、ジェンダーに対する考えも多種多様になっています。